事例1220 「不同沈下」
普段、新幹線での移動中は、建築雑誌や本を読む時間にあてます。
今日は3時間と長時間移動、未読の雑誌はなく、
書類を作成してました。
■(1)今回の事例_____________
「不同沈下」
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◆写真解説
2階階段ホールの傾斜が8/1000。
歩くだけで傾斜を感じるレベル。不同沈下が原因。
◆内容説明
昨年末あたりから計3件の不同沈下した家を見ております。
原因は、どれも地盤調査のミスによる。
スクリューウエイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)
において、自動測定したデータだけで判断し、敷地の特殊な状態を
見逃しているケースが多い。
この家も地盤調査の結果は、かなり固い地盤という判断。にも関わらず、
基礎のコンクリートを打設した時から、その重みで不同沈下し始めた。
大きな荷重がかかるごとに傾斜の度合いが進行したと思われ、
おそらく現場監督は気づいていたが、沈下の事実を隠し、引き渡しをした。
施工者の過失は明らかであるが、保証基準よりわずかに傾斜角が少ないとして
修理を拒否している。
◆対策
施主完成検査の時、スリッパを履かずに歩く。
靴下だけで注意して歩けば、6/1000を超えるような傾斜は違和感を感じる。
(ビー玉を転がすのも有効。ただし、問題ない傾斜のレベルでも転がるケースがある)
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■(2)編集後記
今週、ある大手分譲住宅メーカーの構造検査を行った。
感心したのは、細部までよく考えて、商品開発をしている。
量産している分、職人も数多く入るため
ミスが起きにくいような工夫が多い。
誰が施工してもミスが起きにくいものにすれば
施工不良の確率は大幅に下げられます。
それに加え、職人教育、検査を充実させれば完璧です。