事例1247 「床の傾斜」
この前伺った家。事前のやり取りの際に、
ハウスメーカーが検査に入るのを抵抗して
いる感じがありました。
検査に入り、その理由がわかりました。
■(1)今回の事例_____________
「床の傾斜」
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◆写真解説
2階床の過度の傾斜。水平器は18/1000の表示。
梁取り付け位置の高さの誤差が原因。
◆内容説明
床の水平精度を誤差ゼロで施工することは、いくらお金を
積まれても技術的に不可能です。どの家でも数ミリの誤差が
ありますが、誤差が大きくなると、歩くだけで傾斜を感じたり、
物を置くと斜めになってしまいます。
床の傾斜がある家は案外多いです。その原因は、工事中に重い資材を
集中して置いて、梁がたわむ、基礎の水平精度が悪いなど。
工事中、水平精度を確認すれば、仕上げで調整は可能です。
今回の例は、1階の天井をめくり、梁を確認したところ
梁の高さの差が大きかった。
つまり、加工精度の不良が原因だと思われる。
大手ハウスメーカーは、社内基準で床の傾斜の基準を決めています。
地元工務店は、品確法の基準を持ち出し、3M以上の距離で18mm
以上(傾斜角6/1000)高低差がないと直さないという会社が多い。
この数値は普通ではあり得ないレベル。例えば6畳の部屋の長手方向
(約3,5M)の端と端で、21mm以上の高低差になります。
基礎の天端の誤差は大きくても5,6mmで押さえられるため、
地盤沈下がないかぎり、その数値にはなりません。
地盤沈下の基準と混同せず、社内基準などで判断することが重要です。
◆対策
完成後の修理は、フローリングをめくるなど、大変な工事なる。
工事中に基礎天端、床の傾斜を確認する。
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■(2)編集後記
SNSは住宅系の情報収集のために、時々見ています。
先週、業界側の方が複数の匿名の者に攻撃されていました。
その後の対応を見ていましたが、攻撃が続き、
最終的に、アカウントを閉じてしまいました。
私の場合、数年前までは、応援してくれるメッセージばかりで
したが、昨年あたりから、攻撃を受けるようになりました。
言っていることは大半が間違っていますが、
あえて反論はせず、一般的な対応をしています。
攻撃が増えることで有益な情報発信が減っているのは
非常に残念です。