事例1271 「壁内結露改修」
今年、この時期にしては、暖かいです。
例年ですと、11月10日くらいから、この地方では
暖房を入れ出す家が多いですが、今年は、未だ暖房を
入れていない家も多いかと思います。
天気予報をみると12月に入ると、いきなり気温が平年
並みになるようです。
■(1)今回の事例_____________
「壁内結露改修」
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◆写真解説
壁内結露の改修工事。
被害がひどかった外壁の合板を張り替えた。赤丸部の
黒い箇所は2×4上枠の結露あと。
この箇所は交換不可能なため、薬剤処理を実施。
◆内容説明
通気層と断熱材の施工不備により、壁に結露が発生、
家全体の外壁を改修した。
内容は外壁材、構造用合板の貼り替え、断熱材の交換、
クロス、石膏ボードの貼り替え。
撤去時は立会できなかったが、聞き取りによると、
壁を撤去したところ、下駄箱など、壁に密着してものが
ある箇所の被害がひどかったそうです。
エアコンの影響がない玄関部等においても、壁に物が
密着していると、壁内が湿気やすいことがわかります。
この家、壁内結露の被害に対し、裁判を行いました。
内容の詳細は書けませんが、カビの裁判が増えています。
◆対策
数年で構造金物が錆びるなど、欠陥改修時に、壁内結露
を確認することが多く、珍し事例ではありません。
壁内結露防止は、施工がきちんとしていても、設計仕様が
ダメな場合があります。設計仕様からチェックする。
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■(2)編集後記
施主からのクレームで対応に大変な思いをしたにも関わらず、
改善をしない会社がほとんど。これは大手でも多いです。
例えば、木造で躯体組み立て中に雨に濡れ、水分が残り、
完成時に床下などがカビだらけになる例。
今日、事務所近くの現場で、雨の中、土台伏せ、1階床組
作業が行われていました。
上場企業の現場ですが、雨に濡らすなという指示が、会社
から出ていないと思います。
分譲なので、売れていなければ、文句を言う人はいない、
工期優先でやってしまえと言う考えだと思います。
検査で現場を見させていただくと、経営者が品質に関心が
あるかどうか分かります。