事例445『基礎の膨れ』
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
瑕疵調査の書類作成に追われています。
欠陥が多いと、書類を書くのに時間がかかります。
「相手の逃げ場を封じておこう」とか、裁判を想定し
「裁判官や弁護士がわかるように書こう」などと、
考えていると、時間が余計にかかります。
そんなこともあり、たまに完璧に近い現場があると、
うれしく思います。
先週1件ありました。
そこは、品質管理をきちんとしている会社です。
■(1)今回の事例___________
「基礎の膨れ」
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◆写真解説
基礎の表面が膨らんでいるため、断熱材が密着しない。
これだけ空間があれば、断熱材の意味がない。
◆内容説明
この現場は、基礎の内側に断熱材を貼り付ける仕様。
写真部分は、内部の間仕切り基礎。
外周部へ接する1Mくらいの端だけ、断熱材を施工している。
コンクリートを流し込む時に、型枠が外れたのか
コンクリートの表面が膨れているため、
断熱材が貼り付かない。
たまに、コンクリートの打設に立会います。
型枠の通りを、糸を張ってきちんと確認している職人もいれば
何も気にせず、ただ流し込んでいる職人もいます。
手をかけるほど、いい基礎はできますが、
単価が安いなどの理由で、手を抜く職人もいます。
◆対策
基礎の完成時や、躯体を据付るときに
基礎全般を確認する。
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■(2)編集後記
家が出来る前に契約する、建築請負契約において、
「図面どおり造る」ことは重要です。
しかし、多くの現場監督や設計者が、これを分かっていない。
図面が重要だと思ってないから、
図面をよく見る癖がなく、間違いに気づくことがない。
検査で、図面と違う施工を指摘すると
「何か問題ありますか」
という返事が返ってくることが多い。
最近も、建物の配置がズレている。
高さが違う。基礎の幅が狭い。断熱材の種類が違う
など、直すのが難しい指摘が相次いでいます。
知らないうちに、図面や見積を無視して
施工されているケース。
これを防ぐには、相手任せではダメです。
自分でよく確認することも大事です。
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