事例449『鉄骨の錆』
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
現在新築検査中の現場。
2回ほど、現場監督さんが検査の時に立会いしなかった。
いくつか指摘を出したためか、その監督の上司が
「監督立会いで検査してもらわないと困る」と言ってきた。
これは、全くの誤解で、監督の方が立会いを拒んでいる。
現場で不明な点があれば、いろいろ質問する。
監督は答える自信がないから、私を避けたいようだ。
プロ不在の現場が、多く存在しています。
■(1)今回の事例______
「鉄骨の錆」
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◆写真解説
大手ハウスメーカーの家。鉄骨の錆。
いくら工場で高品質の塗装をしても、
雨漏りを放置すれば鉄は錆びる。
◆内容説明
屋根からの雨漏りを放置し、鉄骨が錆びた。
家に使われる鉄骨は、雨ざらしを想定していない。
塗装品質を自慢するメーカーもあるが
湿気たり、塗れた状態が続くと、錆は発生する。
◆対策
発見が遅れると、断面を欠損し
構造的に弱くなる。
雨漏りは材料を腐らせる。
点検などによる早めの発見が重要です。
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■(2)編集後記
「世界で通用するリーダーシップ」
ノバルティス ファーマ社長 三谷宏幸著 東洋経済新聞社
の中に、建築基準法に関する記載が書いてあった。
(途中は省略します)
日本人は予定調和を想定し、決まり事さえ守っていればいいと
ついつい考えてしまう。ルールがあるときはそれさえクリアすれば
いいと思ってしまう。さらにチェックする側もそれしか見ない。
この体質は、確かにある。
ある検査会社は、基準法の範囲内でしか指摘しないそうです。
例えば、風で揺れる2階建て木造住宅があるとする。
その原因が、明らかな床剛性の不足だったとしても、
基準法に床の決まりはないから、瑕疵はないとなる。
一つ一つがオーダーメイドで造る建築で、
国が細部まで基準を定めるのは難しい。
大手ハウスメーカーは、完全な施工を目指し、
細部まで記載した施工マニュアルを作っています。
しかし、マニュアルがあっても情報量が膨大すぎて
社員や職人は覚えきれない。
枠にとらわれず、考えていく人が増えれば
欠陥住宅は減るでしょう。
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