事例498『モルタル外壁の雨漏り』
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今日の午前中は、細かなもの含め4件の予定全てが自宅の近く。
直接現地へ行くため、自宅で書いています。
■(1)今回の事例________
「モルタル外壁の雨漏り」
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◆写真解説
モルタル外壁内部の雨漏り。
仕上げをめくると、合板が腐り、金物が錆びていた。
構造部分の修理も必要です。
◆内容説明
外壁から雨が漏り、室内へ大量に浸入。
業者は表面の雨水浸入部だけを処理した。
施主さんは、内部がどうなっているか心配になり当社へ相談。
外壁の一部をめくってみると、
構造用合板が腐り、金物類が錆びていた。(2×4工法)
モルタル壁の場合、内部が濡れてしまうと
水分が抜けにくく木部を腐らせ、鉄部をサビさせてしまう。
◆対策
雨漏り対策は、設計時から考えないといけません。
仕上げ材~防水紙まで、最近は雨漏り予防が考えられた
ものがあります。
それらを選択し、きちんと施工をする。
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■(2)編集後記
国土交通省が中古住宅の性能を評価し、認定する制度の検討を始めている。
非常に良いことだと思いますが、築10年~20年の住宅でも
きちんと検査し評価をすると、評価が低すぎて、
逆に買わない人が増える懸念もある。
また、売る側も評価が低く出ると、更なる価格低下につながり
売りにくくなる。
買う人が一番気にする評価は、耐震性だと思う。木造では、大半の建物で
評価が低く出るでしょう。その理由として、
阪神淡路大震災の検証等から、平成12年に構造金物の告示が出ています。
つまり、今から12年前の建物は、筋交いや柱の端部は釘だけで止めてある
ケースがほとんどで、大地震時に端部が外れる可能性がある。
また、平成12年以降でも金物が正しく施工されていない
現場が多かったのも事実。
私の認識では、きちんと施工されたのは瑕疵保証制度ができたあと、
つまり今から2、3年前です。
このケースは基準法告示違反であり、欠陥住宅となってしまいます。
では2×4、軽量鉄骨なら安心なのでしょうか。
これらの工法は、構造部分をあとから確認することは容易ではありません。
住宅着工数が多かった数年前までは、全体的に施工の粗さが目立ったため、
検査で確認できない構造部分の手抜きや不備に注意する必要がある。
その他の評価として、快適性、省エネにつながる断熱性能。
現代の家はここ数年で急激に性能UPした。
つまり、中古の家は新築住宅と比較すれば、性能はかなり劣ってしまう。
構造同様、リフォームするにも費用がかかる部分であり、
買う側は、一建設などのローコスト新築分譲と価格比較することになるでしょう。