事例393『コンクリート強度』

こんにちは住宅検査カノム の長井です。
 
 
 外壁の仕様から、雨漏りあとが、
 映らないだろうと思い、最初はお断りした雨漏り調査。
 
 今日は、撮影にむかない曇りの天気なのに
 意外な雨漏りあとが、はっきり映りました。
 
 最初から決めつけてはダメですね。
 やってみることが大事です。
 
 
 
■(1)今回の事例______

  「コンクリート強度」
 _____________
 
 
欠陥住宅を調査する建築士のブログ-コンクリート強度
 
 
 ◆写真解説
 
 図面に書かれているコンクリート強度。
 
 記載は間違いではないが、
 基礎屋さんが注文する強度は、これより強くないといけない。
 
 これが意外と知られていなく、基準に違反している現場が多い。

 
 ◆内容説明
 
 難しい説明は抜きにします。
 
 と言いながら、少し難しい話です。
 
 
 設計強度(図面に記載する打設後4週目の強度)と、
 呼び強度(生コン工場へ注文する強度)は違います。
 
 
 2009年にJASS5(建築工事標準仕様書)で
 この部分が以下のように改訂された。
 (昔の規定のままの建築士が多い)
 
 
 設計図書で特記がない限り
 
 住宅基礎用コンクリート
 ・設計基準強度 18N/mm2
 ・耐久設計基準強度 18N/mm2
 
 ・呼び強度 24N/mm2
 (構造体強度補正値6KN/mm2がプラスされる)
 
 これはH22年改訂の公庫仕様書(フラット35)も同じ。
 
 
 通常、図面には設計基準強度が記載される。
 よく見かけるのは21N/mm2
 
 これを見て、基礎屋さんが注文してしまうと
 呼び強度の基準の24KN/mm2を下回る。
 
 つまり、基準より弱いコンクリートが納入されてしまう。
 
 
 ◆対策
 
 最低24KN/mm2のコンクリートを注文させる。
 
 図面に、「呼び強度」を記載する。
 または、事前に基礎屋さんへ強度を確認する。
 
 
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■(2)編集後記
 
 
 「羽生善治棋士」は、私が好きな著者のひとり。
 
 私は、将棋に興味はありませんが、
 羽生さんの勝負師として経験論は非常に参考になる。
 
 「直感は経験で磨く」
 
 この言葉は頭の中に強く残っています。
 
 
 
 業者に媚びない検査の仕事は、
 業者との勝負の場が、度々ある。
 
 かれこれ10年経験を積んできた今でも、
 相手のペースに、完全にはまってしまうこともあります。
 
 
 実は今週も、直感が働かず、
 1手先は読んだが、2,3手先が読めなく、
 「はまった」と思うことがありました。
 
 
 どんな勝負でも、勝率10割は無理な話です。
 
 それでも、難しい経験を重ねて、直感に磨きをかけ、
 勝率を上げる努力をいたします。
 

 
 
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