事例320(基礎表面のジャンカ)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今日の午後3時、気温4℃の場所にいました。
 
 高い山の上とか、北海道ではありません。
 事務所から1時間半くらいで行ける山間部。
 
 風が強く、気温より寒く感じました。
 
 
■(1)今回の事例_________________

  「基礎表面のジャンカ」
 ________________________
 
 320

  
 
 ◆写真解説
 
 基礎表面の全体に発生したジャンカ
       (コンクリートの空洞)
   
 打設の手間を惜しむと、起き易い。

 
 ◆内容説明
 
 写真は、巻き込んだ空気が抜けないまま
 コンクリートが固まった状態。
 
 今回は、ここで対策を紹介すると、
 
 打設時にコンクリートを少しずつ充填し、
 しっかり振動を与えれば防げます。
 
 
 時々、私はコンクリートの打設に立ち会います。
 
 時間当たりの生コンの充填量が
 職人によって、2倍以上違うことがあります。
 
 つまり、速く流し込んでしまう職人がいる。
 
 
 振動の与え方も、充填が早い職人ほど
 確実に少ないです。
 
 
 編集後記にも記載しますが、
 コンクリートの扱いが雑なケースが今でも多い。
 
 長く持たせる基礎だけに、施工する側の都合で、
 急いで施工して欲しくないです。
 
 
 ◆対策
 
 打設時にコンクリートを少しずつ充填し、
 しっかり振動を与える。
 
 また、基礎表面の気泡を抜く、専用の道具も
 発売されていますし、
 木工用の長いドリルを型枠に沿って動かすと、
 気泡が抜けるようです。
 
 
 
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■(2)編集後記
 
 
 最近、検査前の工程確認でよく見る問題点。
 
 それは、コンクリートの養生期間が短い。
 (養生期間・・生コンを打設したあと
  型枠を解体するまで期間)
 
 
 大手ハウスメーカーは、間違いありませんが、
 丸投げ分譲業者や、家全体を2ヶ月ほどの
 短い工期で造る業者は、ほとんど守っていません。
 
 
 公庫仕様書によると、コンクリートの養生期間は、
 
 気温15℃以上で3日
 気温5℃~15℃で5日としています。
 (普通ポルトランドセメント使用)
 
 また、コンクリート打ち込み後1日間は、
 その上を歩行したり、重量物を載せてはいけない、
 とあります。
 
 
 以前、検査前にベタ基礎の工程を確認すると
 下記のような予定の現場もありました。
 
  1日目 スラブコンクリート打設
  2日目 朝、スラブ型枠解体
  3日目 夕方、立ち上がりコンクリート打設
  4日目 午後、立ち上がり型枠解体
  
 どことは言えませんが、
 真冬でもこのような工程を強行する、有名業者もいます。
 
 
 養生期間は作業効率を求める業者にとっては無駄な時間。
 
 ぎりぎりの単価で施工している基礎屋さんも
 養生期間は作業ができず、不利益が発生する。
 
 養生を短くしても、目に見える影響は特に感じない。
 
  これらの理由で、基準を破ってしまうのでしょう。
 
 
 コンクリートは、硬化初期に受ける外的要因が
 品質に大きく影響する。
 
 だから、基準を守ることが大事。
 
 
 コンクリートは現場で、液状から固体へと形を変えます。
 そういう意味では、他の工場生産の建材と大きく違います。
 
 現場で手をしっかり掛ける。
 それが基礎の品質を高めます。
 
 
 
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