事例144(筋かいの貫通穴)
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
前日の夜、事務所で原稿書いています。
静まりかえった中は
集中できます。
■(1)今回の事例________________
・「筋交いの穴」
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◆写真解説 ↑クリックすると拡大します
木造住宅、筋交いのふし抜けによる貫通穴。
断面の欠損となり耐力を低下させる。
◆内容説明
筋交いは地震や風から家を守る
構造的に重要な部材。
断面寸法によって耐力も決められ
(基準法施行令第46条4)、
切り欠きはその部分が弱くなるのでダメです。
(基準法施行令第45条4)
写真のようなふし穴は
断面欠損でもあり、切り欠き同様でもあり
法違反はもちろん弱くなる原因です。
業者側は
「材料屋が持ってきたので仕方がない」
「無垢材だからふしは仕方がない」
と言い訳をします。
私が思うには
それは業界の常識かもしれませんが
一般的には非常識なことです。
図面上の耐力が確保できなければ
契約違反にもなります。
◆対策
材料の指示および材料搬入時の検査
検査が面倒なら ふしのない
「集成材、LVL」の筋交いを使う。
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■(2)編集後記
大前研一さんの著書
『「知の衰退」からいかに脱出するか?』 光文社
で下記のような内容が載っていました。
「冷静に考えてもらいたい。
姉歯物件は相場より3割も安い価格だったのだ。
なんでもかんでも自己責任とは言いたくないが、
常識的に考えてこれだけ安い物件を買っておきながら、
このマンションを買った人たちは、
その価格に付随するリスクについては
”何も考えなかった”のだろうか?」
高いけど粗悪な家を造る会社
安くてもいい家を造る会社
いろいろあるので一概には言えませんが
購入する側に考える力が不足していているのは
間違いありません。
家を買うのにいちいちそんなこと
考えないといけないのか?
高い買い物ですし、既製品を買うのではないので
必要だと思います。