欠陥住宅事例105(商品偽装)
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
トラブル処理の多い1週間でした。
新宿のホテルからメルマガお届けします。
■ 今回の事例__________________
・「材料偽装・・偶然の発見」
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写真解説:外壁仕上材、目地シーリング工事中の写真。
ランクの低い材料の使用と下地接着材料
の未使用。
このタイミングで検査していなかったら
絶対にわからない衝撃の事例です。
この外装材
汚れが付きにくく、塗装の耐久性も高いことが
売りの商品。
値段もその分高額で結構な人気商品です。
しかし、その目地部分に使われる
シーリング材
メーカーが外壁材に合わせ、高耐久のものを
指定しているにもかかわらず、
現場で施工業者が違うものを使っていました。
私が問題にしたのは
商品カタログで1ページ半にわたり
シーリング材の高耐久性などを記載している
にもかかわらず、
高耐久ではない普通の性能のシーリング材を
使ったからです。
指摘の際、
念のためメーカーのお客様窓口へ
確認しました。その回答は・・・
「この商品とシーリングはセットで使う事に
なっていますが施工業者へ強制はしていません。」
一方施工した業者の意見は・・・
「メーカーから指導は受けていない、
値段が高いから使えない」でした。
また、メーカーの担当者から
このシーリング材は実質、10%くらいしか
出荷されていないとの衝撃告白もありました。
現在、やり直しを求めていますが
未だに非を認めません。
施工業者とメーカーで責任を
擦り合っています。
消費者が、カタログやショールームで
商品を気に入り
高い差額を出して選んだのに
肝心の目地の性能が低ければ、
いくら本体の耐久性が高くても意味がないです。
いろいろ、メーカー側も言い訳してますが
これって単純に考えると
食品偽装 と同じではないでしょうか
完全に消費者を裏切る行為は詐欺であり
許せません。
私はメーカー側に
シーリング材の集荷管理から事実を確認
出来る立場としての責任は重いとして
今まで行った現場の「リコール」を
求めています。
この先、どうなるかわかりませんが
交渉を続けます。
◆対策
建材では昨年、防火性能の偽装がありました。
名の知れた大手メーカーでも
製品の信憑性はわからない時代です。
なぜ、このようなことが起きるのか?
商品開発や広告・・・販売だけを重視するからです。
これは家を売る会社でも多くは同じですね。
現場の品質は後回しというかあまり頭にないのでしょう。
疑いを持たないと
騙されて当然の嫌な世の中です。
何ごとも細かなチェックが必要かもしれません。
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■(2)編集後記(普段はメルマガのみに記載)
最近また、トラブル仲裁が忙しいです。
特に、今週は殺到しました。
何でこんなに?というくらい多いです。
一流と言われるメーカーでも
ブランド意識に欠けた会社ばかりです。
個人の利益
会社の利益
しか考えていません。会社ですからもちろん当然なのですが、
施工の悪さを許容範囲内ということで逃げ
客を黙らせる決めゼリフは
「出るところ出ましょうか」
坪単価の高いメーカーをわざわざ選ぶのは
ブランド品を買うときと同じ感情からではないでしょうか?
期待した品質や安心を裏切り
選択心理を無視した対応は
おかしいと私は強く思います。