欠陥住宅事例57
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
『壁の倒れ』を紹介します。
■今回の事例______________________
・「建て方検査」で壁の倒れが大きい箇所発見
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写真解説:赤矢印の5の位置で傾斜ゼロ
9mm左へ傾斜している(1.5Mあたり)
どんな構造でも建物は誤差ゼロで建つ事はありません
床にしろ、壁にしろ多少の傾斜は出ます。
ただ、木や鉄等、近年は工場での加工精度も上がり
基礎のレベルが良く、大工などの組み立て時の確認
がきちんとしていれば誤差も本当に少なく建ちます。
検査の経験上、指摘を出すほどの現場は100件で5件
くらいでしょうか?
指摘を出す基準ですがこれが結構難しいです。
最近は傾斜について良く用いられるのは
「品確法」という平成12年に作られた法律の中の
「住宅紛争の参考となるべき技術的基準」です。
これに書いてある柱、壁の傾斜の事は
「2M以上の距離程度において6/1000以上の傾斜は
構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が高い」
同じく「3/1000以上6/1000未満の傾斜の場合、
構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が
一定程度存ずる」
と良く読んでも???です。
はっきりしない文章なので6/1000を基準として
私は判断するようにしています。
6/1000ほどになれば
そのままドアを付けたり、家具をそこに置けば
隙間の違いが目立つなど影響は大きいです。
◆対策
工事の精度がやはり重要で
基礎の水平、躯体部材の精度。
あとは、組み立て時の確認です。
構造別で一番傾斜が出やすいのは2×4です。
理由は職人が壁の通りだけに気を取られる
傾向にあるからです。ただ、きちんと施工すれば
精度良く建ちます。