欠陥住宅事例38
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
『コンクリートの空洞・・ジャンカ』を紹介します。
■今回の事例_____________________
・コンクリートが行き渡らなかったために出来た
大きな空洞があり鉄筋が見える
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写真は鉄筋コンクリート造の梁下の部分です。
このような「ジャンカ」はどうして起きるのか?
コンクリートは型枠で組まれた内部にコンクリートを上から
流し込みますが、この型枠内には複雑に鉄筋が入っていて
コンクリートの流れを邪魔します。
もちろん流し込む際は振動などかけますが、それが至らない
箇所では今回のような「ジャンカ」が発生するんです。
流れを良くするために現場で水を混ぜる「シャブコン」が
問題になりますがコンクリートが柔らかくなればジャンカも
当然減りますし、振動をかける手間も省けるため、職人が
故意に行う行為です。
最近は耐震性を重視し鉄筋量も増え、また、電気配線なども
非常に多くなりコンクリートが通る隙間も少ないのが現状です。
よりジャンカが起こりやすい状態がどこの現場でも増える
傾向です。
ジャンカが出てしまったら?
結果として、表面に出たジャンカは注入などで補修できますが
内部の見えない箇所に出たものは気づく事さえなく
そのままになってしまうでしょう。
表面にジャンカが多い場合は内部も疑った方が良いでしょう
ただし、自分で証明するにはこの手の調査は非常に金額が
かかりますし、相手が補修しか応じない場合は、解決は
難しいでしょう。
◆対策
型枠と鉄筋の離れ、いわゆる「かぶり」や鉄筋同士の空き
を十分取ることは当然ですが、
「コンクリートをきちんと打たせること」 です。
職人の気使いによってジャンカの発生は変わるでしょう。
ジャンカが出たら、壊してやり直しだと最初に約束しておけば
ものすごく注意してコンクリートを打つでしょう。
打設前の計画、打設時の注意が重要です。
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■(2)編集後記
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今日、現場で職人さんからいい意見を頂きました。
数年前から業者が依頼する保証検査が急激に増え、また
私のような施主側の検査会社も多くなったけど
「欠陥住宅 いや・・それを生み出す職人は減ってないよ
あんたらの仕事はなくならないよ」
「業者から依頼する検査は、後戻りできない指摘は建築業者の
顔色を伺いたいていは蓋をしてしまうし、
大半の職人は検査で指摘を受けた時だけは是正し納得するけど
すぐに楽を考えるから後戻りするよ。」
「そのあたり、あんたら十分考えな」と言われてしまいました。
厳しい意見ですが
私で出来る事があるはずです、考えてみようと思いました。
このような意見が聞けるのも現場へ出るからで
毎日いろいろ勉強させられていると思いました。