事例841「鉄骨ボルト孔拡大」
今日検査した分譲住宅。
大きな指摘はゼロ。社内基準がきちんとできていて
監督、職人にまで、きちんと伝わっているからだと思います。
■(1)今回の事例______________
「鉄骨ボルト孔拡大」
_______________________
◆写真解説
鉄骨のボルト接合部、ボルト孔が大きく拡大されている。
耐力低下を生じる原因となる。
◆内容説明
図面か工場での孔あけミスにより、現場でボルト孔の位置を広げた。
建築基準法施行令第68条でボルト孔の規定がある。
高力ボルトの場合、呼び径プラス2mm以下。
ボルトの場合、呼び径プラス1mm以下。
写真はボルト径の約2倍の長さの孔があいている。
わずかな数値の拡大孔の使用には大きな問題がないとして
安全検討をして使用する場合もある。
◆対策
製作ミス、現場での加工がないか
構造検査時にチェックをする。
==============================
■(2)編集後記
家に重大な瑕疵があり、行政による指導を期待するケースがある。
明らかな法違反で安全にかかわるような瑕疵である場合、
行政は建築士や業者を指導する可能性が高い。
また過去をさかのぼり同様のミスがないか
調べさせることもある。
ただし、安全に影響しないものは確実に見過ごす。
本当に重要なものでなければ指導対象にならないため、
あまり期待をしないほうが良いです。
裁判を行う場合、先に行政へ相談すると
行政が指導しなかった項目について
「行政から問題がないとお墨付きをもらった」と
業者が行政判断を利用することもあるので気を付けたい。