事例1324「スラブ厚さ不足」
先週は現場でイラついている職人を多く見かけま
した。
ぎりぎりの金額で仕事させられたうえ、元請けが
仕事を急がせたり、余計なことをやらせるため、
ちょっとしたことでも腹が立つようです。
昔に比べ、職人はおとなしくなりましたが、
現場で、いざこざが多いと、現場監督の離職が
増えます。
🔳1 今回の事例____________
「スラブ厚さ不足」
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◆写真解説
ベタ基礎スラブ、厚さ不足。設計は厚さ15CM。
打設予定の印は約12CMで3CM不足。
上側のかぶりも不足する。
◆内容説明
スラブコンクリートの高さの印が低く、このまま
打設すれば厚みが3CMほど不足する。
また、写真の部位は、上側のかぶりも不足する。
3CMも薄くする例はまれですが、私が多くの現場
を見てきた中で、住宅の基礎は設計厚さぎりぎりで
施工する現場がほとんど。
生コンも高騰しているため、職人はぎりぎりを狙い
ます。
◆対策
ベタ基礎のスラブは、生コンを流し込むと、あと
から厚さの確認は難しい。打設前に厚さの印を
確認する。(非破壊で厚さを測る機材はあります)
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🔳2 編集後記
昨年、東北の住宅会社が約2800棟建築基準法
違反があったとして国に公表。国土交通省と県が
是正を指導している内容と同じ施工不備を検査で
指摘しました。
指摘した日の夜。その会社の設計責任者から私に
電話があり、「民間の確認検査機関が問題ないと
判断している。違法ではない」と言ってきた。
指摘が違法でなければ、なぜ、東北の住宅会社は
指導を受けているのか。また、同内容で別の一級
建築士が国土交通省から業務処分を受けたのは、
国の判断が間違っていたとなる。
言い分を聞いていると、明らかに法の解釈が間違
っている。上場企業でありながら、建築基準法
を正しく読めていません。
私が「では、私から資料を開示して国土交通省か
愛知県に判断を求める」というと、修理しますと
いう答えに変わりました。
※約10年ぶりに建築基準法をわかりやすく解説
した本が改訂、発売されました。最近法改正が多く
、発売を待ち望んでいました。購入を申し込み
ましたが、品薄なのか、まだ届きません。