事例655『高力ボルトの不備』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
施主さんが撮影した写真をチェックする機会がある。
証拠として使える撮影のポイントは、
・おかしいと思った箇所は、近寄って撮影する。
・寸法で瑕疵を表したいものは
 スケールをあてて撮影する。
 
細かいことを言い出したらきりがないですが
この2つは重要です。
■(1)今回の事例_________
「高力ボルトの不備」
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高力ボルト
 
◆写真解説
鉄骨造の高力ボルト。
1本だけナット面からねじ山が出ていない。
締め付け不良。
◆内容説明
ねじ山の先端はナットを入れやすいように形状が違う。
ですから、ナットの面で収まることはNG。
JASS6(建築工事標準仕様書 鉄骨工事 日本建築学会)
によると、トルシア形高力ボルトのボルトの余長は、
ナット面から突き出た長さが、ねじ1山~6山の範囲。
尚、アンカーボルトは3山以上など、
ものによって規定が違うので注意しないといけません。
◆対策
ボルトの数は膨大にあります。
全数チェックしないと見落としてしまいます。
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■(2)編集後記
家の品質の当たり外れは運です。
工務店の仕事は、棟数が多ければ多いほど
職人の数が増え、品質にばらつきが出る。
工業生産が主のハウスメーカーだって
現場作業がある以上同じです。
お金をたくさん払ったからといって
いい職人を入れてもらえるわけではない。
最近、工務店評価を目にすることがある。
工務店が職人を社員で抱えるケースは稀。
外注である以上、職人のばらつきもあれば、
移動もあり品質は安定しない。
工務店の品質評価は、そんな理由と、
広告宣伝の目的もあるため、あまりあてにはならない。
一般の施主が求めている情報は、工務店より職人の腕。
職人の評価付けが今後、広がっていくかもしれません。

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