事例542『基礎の結露が原因で土台がカビた』
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
役所の耐震診断を行っているため、
このところ耐震改修の相談をよく受けます。
昨日は2件実施、今日は1件予定があります。
多い相談内容は
「改修と建て替え、どっちがいいか」
金銭的に見れば圧倒的に改修ですが、
改修方法や、その方の状況、居住性、耐久性などを考慮すると、
一概に改修が絶対にいいとは言えません。
当社は検査専門で施工を行っていないため
中立的にアドバイスができる。
そんな理由もあって、相談しやすいのでしょうか。
■(1)今回の事例________
「基礎の結露が原因で土台がカビた」
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◆写真解説
基礎外周部が結露し、床下が湿気て、
土台、合板がカビた。
完成時の検査で発見。
◆内容説明
基礎断熱仕様の家。(内側の断熱)
1ヶ所室内へ空気抜きの穴がある程度で換気はなく、
床下はほぼ密閉空間。
結露した原因は2つ考えられます。
・基礎コンクリートからの水分蒸発。換気が無いため湿気が溜まった。
・基礎に張り付けられた断熱材が基礎に密着していなく、
基礎表面に空気がまわり結露した。
床下を密閉した現場で、今まで何度も結露やカビを見ています。
換気など計画を間違うと、このようになります。
また、換気があっても工事中は機械が止まっているため
結露してしまうこともあります。
設計者、施工者の経験や知識が少なくても起きやすい。
◆対策
基礎断熱仕様で床下を密閉する場合、
工事中の湿気抜き、入居後の換気計画を確認する。
新しい工法はリスクが高い。実績のあるものを選ぶと安心です。
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■(2)編集後記
今日紹介しました基礎の結露は、各所で起きています。
今週、完成検査に行った現場でも結露していました。
完成時、床下を検査しない会社がほとんど。
今回も、結露していると教えてあげても
監督が自ら確認をしようとはしなかった。
たぶん、床下に入るのに抵抗があるようです。
冬以外に実施する完成検査では、結露は確認できません。
定期的に床下を点検することが重要です。