事例356『石膏ボードによる床のたわみ』

 こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 東北地方太平洋沖地震にて被災されました皆様に、
 心よりお見舞い申し上げます。
 
 先ほど、静岡東部で震度6強の地震がありました。
 原発の事といい、不安が増します。
 
 名古屋は被害を受けていません。
 通常に業務をこなし、災害復興を陰ながら
 支えて行きたいと思います。
 
 
■(1)今回の事例__________

  「材料による床のたわみ」
 ________________
 
 356
 
 
 ◆写真解説
 
 木造の2階床に、石膏ボードが
 高く積み上げられている。
 
 荷重にして推定約2t。
 当然床がたわんでいる。

 
 ◆内容説明
 
 壁や天井に張る「石膏ボード」
 その重みは、見た目より重い。
 
 吉野石膏さんの資料によると
  普通せっこうボード畳1枚分(910mm×1,820mm)の重さは
  
  厚さ 9.5mm・・10.2kg/枚
     12.5mm・・13.4kg/枚
     
     
 写真の下の方は、厚さ12.5mm、
 長さは上記より60CM長いので、1枚当たり約18kg
 
 おおよそ、積み重ねられた重さは、合計約2t。
 
 
 建築基準法で定められた、構造計算上の
 住宅の居室の積載荷重は1800N/m2。
 
 ボード1枚の面積を約2㎡とすると
 約5.5倍の荷重をかけていることになる。
 
 
 2階の部屋の真ん中に、石膏ボードを置いた場合。
 1階がリビングで壁が少なく、梁がとんでいれば
 確実に床が大きくたわむ。
 
 
 材料を退かせば、少しはたわみが戻るが
 それでも、床の傾斜は残る。
 
 (難しくなるので、細かな数字説明は省略します)
 
 
 
 ◆対策
 
 できるだけ、分散して置く。
 
 集中するときは、1階にサポートなどをかう。
 (三井ホームさんは上記のような対処しています)
 
 
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■(2)編集後記
 
 
 11日の地震発生時、私は愛知県弥富市内の国道1号線を
 車で移動中でした。
 
 車に乗っていても、すぐに地震に気づき
 周期が長く、長時間揺れる特徴から、
 東海地震が来たかと思いました。
 
 
 過去の地震の周期から、いつきてもおかしくない
 東海地震、東南海地震、南海地震。
 
 静岡から愛知、三重、和歌山、四国太平洋側と
 広範囲の津波被害が懸念されます。
 
 
 今回の地震が、想定外の規模であったのは事実。
 被害を検証し、全国的に、原発の安全や津波対策を、
 被災地の復興の次に行って欲しいです。
 
  
 1日も早い復興。そして、安心して住める街づくりが
 早期にできることを心から祈っています。

 
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