事例428『玄関の気密』
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今日、新築完成の検査に行った現場。
外は足場を解体中。
中は便器などを付けていました。
こんな状態でも、明日施主検査。
今月は、仕上げの工期に余裕がない現場が多いようです。
■(1)今回の事例___________
「玄関の気密」
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◆写真解説
玄関まわり、気密タイプの基礎パッキンに入れ替えている。
図面で指示された場合は勿論、
省エネルギー対策等級4仕様では、玄関の気密化が必要です。
◆内容説明
今回の部分は、面積によっては断熱材を省略できますが
気密まで省略していいとは、基準に記載されていません。
21年の省エネ告示改正で、
気密に関する細かな規定が削除されました。
そのこともあり、最近省エネ住宅を設計、施工する業者は
気密を意識しないことが多い。
住宅金融支援機構によると、
「告示の改正では、画一的な規制基準が基準の簡素化・合理化により
なくなったと理解すべきで、竣工後の的確な省エネ性能の実現・
内部結露の防止・計画換気の実現のためには、従来どおり気密性の
確保のための的確かつ丁寧な施工を行うことが望まれる」とあります。
断熱材をいくら良くしても
気密が低ければ、省エネ性能は落ちる。
目には見えないものだけに、工事中のチェックが重要です。
◆対策
性能が高い省エネ住宅を目指す場合、
気密試験を行うことをお薦めします。
カタログに高気密住宅と表示しながら、
実際は、そうでない現場があります。
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■(2)編集後記
何度も記載してますが、「中間検査」が機能してない。
以前は、確認申請の現場検査と言えば、
「完成検査」しかなかった。
その完成検査も、昔は受けない現場が多く、
2棟申請で3棟建てるなど、違法建築を野放し状態。
地域によって違いますが、工事中の中間検査制度が創設され、
愛知県では何年か前から、山間部を除きほぼ100%実施されています。
この検査の目的は、主に違法建築や欠陥住宅でないかを確認すること。
しかし、民間に検査を開放してからは
検査自体が、きちんと行われていないのが現状です。
昨日も、現場で民間の検査員と一緒になった。
検査と言っても、現場は眺める程度で終わり。あとは、
「変更なない?」
「書類と、写真をまだもらってない」
と聞き、5分くらいで検査は完了。
検査員は役人OBと思われる。
書類だけ、きちんとしておいて、
現場の細部は見ないことに、徹底している感じでした。
今年も、40件ほどの完成済住宅の瑕疵検査をした。
多くの欠陥を指摘し、この中のいくつかが、すでに裁判まで発展している。
裁判したから救われる訳ではない。
いつ壊れてもおかしくない家でありながら
未だに判決が出ないため、我慢して住んでいる人も中にはいる。
中間検査できちんと見てくれれば
このような現場は、かなり減るでしょう。
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