事例311(屋根防水下地の不備)
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今日、午前中の予定が来週に変更、
急に空いた時間はうれしいです。
事務所の窓を全開にして
快適な気温の中で仕事しています。
■(1)今回の事例_________________
「屋根防水下地の不備」
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◆写真解説
屋根ルーフィング(下地の防水材)、
外壁との接合部で立上げ高さが不足。
本来、雨漏り防止のために250mm以上(赤線まで)必要。
◆内容説明
防水下地の例が3回続いています。
今回は屋根です。
1階に比べ、2階の床面積が小さいと
「下屋(げや)」ができます。
2階の外壁と屋根が接する面ができて、
この部分は水切り材や
防水下地で漏水を防ぎます。
250mm以上ルーフィングの立ち上げ。
この基準はフラット35の仕様書、
瑕疵保証の施工基準などに明記されています。
◆対策
すぐに雨対策したいため、
本職でない人が施工してしまうことがあります。
あとから見えなくなる箇所だけに
施工中の検査が重要です。
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■(2)編集後記
「我が家は間違いなく欠陥住宅。
それなのに、業者は対応をしてくれない!」
こんな相談が月に2、3件あります。
その中で欠陥の程度がひどく、
多額の補修費がかかるもの、
場合によっては建替えが必要なものがあります。
そうなると、本人での交渉は難しい。
そこで、解決策を求めて当社へ電話してくるのですが、
当社や弁護士を頼むと当然、お金がかかるため
最終的に、依頼を躊躇する人が8割以上。
当社や弁護士の費用は一般的にはわかりにくいですね。
実際どのくらい費用がかかるかは
相手へ求める金銭の額、欠陥内容によって違います。
弁護士費用は事務所によって違い、
参考に、日弁連が出している
弁護士費用のアンケート結果(08年)によると
900万円を請求した欠陥住宅裁判で
着手金が50万円、
成功報酬は90~100万円が最も多い金額のようです。
私のような建築士の報酬は
必要な調査、書類の内容、数と打ち合わせ回数によります。
10万円以下で済む場合もあれば
50万円以上かかることもあります。
そうなると当初、着手金+建築士などへの費用として
余裕を見て100万円弱のお金がないと専門家に頼れない。
このような現実があるから
お金をかけずに何とかしようと、多くの方が思うわけです。
しかし、無料相談では解決しない。
行政や消費者センターなど、さんざんたらい回しにあった上、
弁護士の無料相談でも解決しない。
建築士も無料では責任のある回答はしない。
これが現実なんです。
もちろん、当社や弁護士に費用を払っても
裁判や調停などに勝てる保証はありません。
紛争費用は「本来なら必要のないお金」
また紛争は「時間」も失います。
さらに、精神的な苦痛も伴います。
それを考えると損失はかなりのものになります。
無駄な出費等を防ぐには
やはり、購入前や工事中の「予防」が大事です。
被害に会う前に「問い合わせ」してきて欲しいです。
問い合わせすることで
欠陥住宅を日常的に造っている業者と
契約しなくて済むかもしれませんし、
検査することによって
欠陥住宅を買わなくて済みます。
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