事例331(基礎天端、水平の不良)
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
先回、忙しさのピークが過ぎたと書いたのに
今週は、急な依頼が多く、
時間的な余裕が吹っ飛びました。
積み上がった書類の前で、書いています。
■(1)今回の事例__________________
「基礎天端、水平の不良」
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◆写真解説
基礎の水平が悪いため、
本来荷重を受ける基礎パッキンが浮いてしまい、
横に木をかまして、高さを調整している。
◆内容説明
荷重を土台下で受けて、基礎に伝える
基礎パッキン(写真中央部の黒いもの)は
施工する位置が決められている。
よって、本例のように、適当な位置で
木が土台を支えていてはダメです。
最近は、自主検査で基礎の水平を確認し、
修正をしている現場も、見かけますが
まだまだ、ごくわずか。
当社は、基礎完成時の検査で
基礎天端の水平を検査します。
結果として、15件に1件くらいの割合で、
精度の悪い現場があります。
多少、水平が悪くても、上の躯体は建ちますが
引戸などの建てつけに、影響がでるケースがあり
きちんと水平確認してから建てるべきです。
全体でプラスマイナス3mm以内、
短い距離での急な傾斜をなくすことが必要。
◆対策
セルフレベリング材だけに頼るのはダメ。
計測機械を使い、確認をする。
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■(2)編集後記
今週、報道された建築関係の偽装。
■「長期優良住宅で初の「偽造」、タマホーム元社員を処分」
設計担当社員A氏が認定通知書10棟を偽造し、
認定申請に必要な書類である適合証を6棟偽造した。
この偽造行為を10年7月に宮崎県が把握したことなどがきっかけで、
A氏(一級建築士)は業務停止11ヶ月を受け、同社を退職した。
偽装をした理由は「多忙」だそうです。
現在、ローコスト系メーカーは受注が順調。
しかし、コストダウンの一環で、
人員整理など、効率化をはかっている会社が多く、
社員一人当たりの仕事量は多い。
失業率が高く、新卒の就職率の低さが、社会問題になっているが、
一部の正社員の実態も大変です。
日本経済の低迷が、偽装や欠陥を造っている
原因になっていると、言えるでしょう。
■「鹿島、高層ビルの施工ミス隠す。鉄骨にズレ、検査書類改ざん」
大手ゼネコン鹿島が建設したJR大阪駅近くの21階建てビル。
鉄骨1本が設計図と比べて約7センチズレていたことを
施工中に同社の現場責任者らが把握しながら、
そのまま工事を進め、今年3月に完工させていた。
ビルの安全性には問題ないという。
問題の発覚は、インターネット上に鉄骨の問題を指摘する
書き込みがあったため。いわゆる内部告発だと思う。
施工中の計測ミスによって生じたもので、
現場の建築事務所長らが当時確認していたが、工事は続行された。
建築事務所長らはズレについて会社に報告していなかったという。
食品会社が偽装をすると
ものすごく叩かれ、名誉回復が大変ですが、
建築関係は、あまり影響がないようです。
法令遵守が厳しいはずの、大手でさえ偽装をしている。
報道すらされない、
中小の業者の実態を、知りたいです。
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