事例150(勝手なリフォーム)
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今日は午後から東京で仕事、
明日は横浜でセミナー参加してきます。
今月は遠方での仕事が少し多いです。
■(1)今回の事例_________________
・「リフォームトラブル」
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◆写真解説 ↑クリックすると拡大します
希望を無視しリフォームされた例。
左が希望、打ち合わせの図面。右が実際完成した図面。
玄関(黄)、キッチン(緑)、トイレ(赤)
、浴室・脱衣(青)全て位置が違う。
◆内容説明
結論を申し上げると
「施工会社が勝手に工事をした」
施主の話を聞くだけでは
ほんとに? と思いますが
現場、書類などを見たら納得できました。
このようなケースは非常に稀です。
リフォームの面倒な打ち合わせを省き
勝手に工事をして
集金し売上げにつなげたもの。
個人ノルマや会社の売上げのために
利用されただけのリフォーム工事。
非常に悪徳なんですが
施主のほうも無知でいろいろな書類に
サインをしていまい自己責任を問われ
結局は泣き寝入り。
この詳細は今度、コラムとして
記載させていただきます。
◆対策
リフォームはトラブル確率が高いのに
無防備な人が多い。
まずは契約をきちんと行う。
図面、見積りを把握してから契約書にサイン。
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■(2)編集後記
スズキの会長兼社長の鈴木修著
『俺は、中小企業のおやじ』日本経済新聞出版社に
「こういうとき(不況時)には、外注先にコスト削減を
強いるのはもってのほか、そんなことをしてはいかんのです。
それは生産が増えているときにすることです。
いまみたいなときは、内なるコスト削減、すなわち、
おのれのマイナスをいかに減らすかに努力する。
材料の質を落とすのではなく材料そのものを変えたり、
不良率を減らす」
とありました。
ここ数年の住宅着工数はピーク時の3割以上減を推移し
今年はさらに1割以上は落ち込む予想です。
競争が激化すれば
職人、仕入れコストを落としやすい。
ここ数年、職人のコストも限界に近く
これ以上のコストカットは品質に影響する可能性が高い。
実例を一つ紹介しますと
検査で大工さんにビスの間隔が遠いと指示すると
「単価が安いからこれ以上はできない」と
言われることはよくあります。
ぎりぎり、又は赤字で仕事しているからこそ
このような答えになるのでしょう。
内なるコストの削減でも
安易に社員の給料をカットすると士気が落ちる。
幹部社員の退職例を最近見ています。
安いことはいいことですが
建築は人がかかわる部分が多く
気持ち次第で品質が左右されるのは確かです。