欠陥住宅事例55
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
『床合板 釘の空打ち』を紹介します。
■今回の事例_____________________
・2×4 床合板を留める釘が空打ち
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地震対策で一般的に頭に浮かぶのは
「壁を増やせば強い」という考えです。
確かに間違いではありませんが
四角の箱を想像してください。
側面4面だけで上下が抜けていると
箱は力を加えると変形しますね。
そうなんです!
上と下・・・家では床、天井面の剛性も大事なんです。
今回の写真はその床の剛性を受け持つ
床合板の釘が空打ちしている写真です。
これでは釘打ちの意味が全くないです。
大工さんはいくら機械で釘を打っても
空打ちすればわかります。
そのままにした事は手抜き工事と言えるでしょう。
▽ここで少し知識
構造計算をしない2階建ての建物は
壁の量のチェックだけで床剛性は検討しません。
ただ、性能表示制度を使う場合は必須です。
よく、壁量だけ増やして耐震等級3だという
表現をしている場合があります。
階段くらいの吹抜けは床面の剛性にあまり
影響がないですが、大きな吹抜けや階段近くの
吹抜けは床剛性を落とします。
吹抜けを譲れない場合は周囲の床補強等が必要です。
◆対策
今回もよく見るしかありません。
今回の写真は床下で発見したものです。
あとから見そうもない、見えなくなる部分に
欠陥は存在しやすい