欠陥住宅事例56
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
『耐震スリットのズレ』を紹介します。
■今回の事例_______________________
・鉄筋コンクリート造の耐震スリット
コンクリートを流し込む際に型枠に付けていたものが
動いて位置がずれた。
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写真解説:赤線が本来のスリットの位置、矢印がズレたスリット
ここで取り上げる事例は圧倒的に木造が多いですが
今回は鉄筋コンクリート造の事例です。
「耐震スリット」を簡単に説明すると
鉄筋コンクリート造は主に梁、柱の構造(通称:ラーメン構造)
で、これは建物を変形しやすくし、
変形する事でエネルギーを吸収する設計です。
阪神淡路大震災で柱や梁などに脆性的な破壊をもたらし
大きな影響を及ぼしたと考えられるのが
柱や梁に付く「壁」です。
壁が変形を抑え、剛性を高め、そこへ応力が集中し
破壊したと考えられます。
そこで、地震時に壁と柱、梁間で応力が伝わらないように
分離するものが耐震スリットです。
スリットの形状はいろいろありますが
今回、スリット部を形成するものの固定が悪く
コンクリートを流し込んだ時に動き、位置がずれた。
当然正規の位置にないと意味はなく、柱側へずれたら
断面欠損します。
鉄筋コンクリート造でも壁式構造という、木造のように壁で
耐力を受け持つ構造はスリットを入れません。
◆対策
この耐震スリット、現場での職人などの認識がまだまだ
低いようです。
戸建てなら今回のようにチェックはできますが
分譲マンションのような工事途中のチェックが第三者で
難しい建物は業者を信用するしかないです。
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■(2)編集後記 (通常はメルマガにしか記載しません)
寒い日が続いています。
事務所は鉄骨造外壁ALCで、上下階あるんですが
暖房効率が悪いです。
朝は、気温7度とかで非常に寒いです。
これと反対に自宅は4年半前に建てましたが
約24畳のLDK+リビング階段あっても
6畳用の暖房器具1つで足ります。
寝室は夜寝るだけのためもありますが
新築してから暖房は一度も付けたことがないです。
夏もリビング含め冷房もほとんど使いません。
地球温暖化に貢献しています。
特別、断熱、気密、サッシにお金を掛けた
訳ではないです。
一番の威力はセルロースファイバーの断熱材
でしょうか。
セルロースファイバーとは↓
http://www.i-p-p.com/cellulose.html
ご参考にしてください。