欠陥住宅事例36
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
『外壁目地処理の不備』を紹介します。
■今回の事例___________________
・コーキング材を付きやすくする「プライマー」の手抜き
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写真は目地の施工直前、土まで付いている。
サイディングはその材質が硬く変形などないと一見思えますが
実はよく伸び縮みするんです。
また、運搬の面から長さに限界がありどうしても目地を取る
必要があります。
建物にはこのように外壁以外にも目地が付き物で
コーキング材はなくてはならないものです。
今回、外壁面では防水の役割も受け持ち
材料との接着性が施工上重要ポイントです。
施工面の埃などを取り除く事はもちろんですが、施工前に
接着性を高める「プライマー」という材料を塗る事は
非常に重要です。
最初に書きましたがサイディングが縮んだ際、
接着が悪いと簡単に離れてしまい、雨漏りの原因になります。
大手ハウスメーカーでも過去に大量にコーキング切れ
を起こしました。それほど、切れやすいものです。
◆対策
・専門職を使うこと。
ただし、専門職でも忘れはあるでしょう。
色つきのプライマーで施工忘れを防ぐ事ができますが
他へ付いた場合に落ちないため最近は透明のものしか
見かけません。
あくまで下地処理剤で仕上げしたらわかりにくいです。
救いは雨漏りは10年の瑕疵担保期間があり
手抜きがあれば早期に切れてわかるでしょう。ただ、
良く外壁を見てないと気が付かない場合もあります。
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■(2)編集後記
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先週、ケミカルアンカーの引抜き試験に立ち会いました。
施工後1時間で規定の倍の力をかけましたが全く異常なし。
現在の接着材の技術にはびっくりです。
ケミカルアンカーとは
コンクリートに穴をあけ、エポキシ系の接着剤で
アンカーボルトなどを接着する事です。
鉄筋コンクリートの耐震補強などでよく使われています。
住宅ではアンカーボルトを入れ忘れたなどの際に使います。
専門職による施工でしたら、アンカーボルトやホールダウン
を入れ忘れる大きな失敗があっても元の性能は十分出せます。
よくありがちな監督さんの施工は要注意です。
なぜ?
今日のコーキングの話と同じで
下地処理が完璧にできない場合が多いからです。