欠陥住宅事例20
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今回は「軒先金物の釘の不備」を紹介します。
■今回の事例______________________
・台風時など屋根が「あおられて浮かないようにする金具」
の固定釘が基準と違う
公庫仕様 5.5.5 たる木の欄に規定がある
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中部地方では家を建てるとき、
構造的なことになると「地震」しか頭にないと思いますが
地震より時には家を破壊する大きな自然の力があります。
それは・・・
「風」です。
屋根は高い位置にあり風の影響を最も受けやすいです。
構造計算を必要としない2階建ての木造住宅の耐力検討、
通称「壁量設計」は風圧力と地震力を考慮し影響の大きい方を
クリアさせる計算をします。
計算をすると
影響力が大きいのはほとんどの建物は「風圧力」です。
このような影響力の高い風、
特に軒が出ている建物は下からの吹上げで屋根が飛ばされる
懸念もあり金物、釘でしっかり固定する必要があります。
最近の検査でこの金物の付け忘れや1本おきに付ける
事例は見なくなりましたがまだ、3割くらいの現場で固定
釘の間違いがあります。
木造住宅の構造体においては太めの釘(ZNなど)や
認定ビスを使うことが常識ですが大工さんは安く細い造作釘
を使ってしまうようです。
ここで注意が必要なのは
間違いが発覚してもこの金物は数が多く、特に完成した建物
の場合は修補が大変です。
下記の民法の但し書き部分に触れそのままになる可能性が高い
です。
民法 第634号 1
仕事の目的物に瑕疵があるときは。注文者は、請負人に対し、
相当の期間を定めて、その瑕疵の補修を請求することができる。
ただし、瑕疵が重要でない場合において、その補修に過分の費用
を要するときは、この限りでない。
◆対策
この金物は「建て方・・躯体組上げ」時に取り付けられます。
釘を打ってしまう前に事前の確認、施工当日作業前確認が
重要です