欠陥住宅事例15
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今回は木造の小屋組の不備を紹介します。
※小屋組とは最上階天井裏部、屋根を形成する構造体のこと
■今回の事例______________________
・振れ止めの施行忘れ
□建築基準法施行令第46条の3項違反
参考に法律文を記載します。
「床組及び小屋はり組の隅角には火打材を使用し、
小屋組には振れ止めを設けなければならない。
ただし、国土交通大臣が定める基準に従つた
構造計算によつて構造耐力上安全であることが
確かめられた場合においては、この限りでない」
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「振れ止め」とは?
梁や小屋束の下端が単独で動かないように固定する部材です。
小屋振れ止めは、上記の46条以外に
小屋組部の部材で「構造耐力上主要な部分」でもあり、
建築基準法施行令第47条の1項による「緊結」することや
公庫仕様書けた行筋かいの振れ止めの項に従って取り付ける
必要がある。
似たようなものが写真にも写っていますが
斜めに打つ「雲筋交い」
(けた行筋交いなどと呼ぶ事もあります)
があります。これは小屋組全体が倒れないようにする斜め材で
役割は違います。プロでもこの部分は勘違いしやすく
これだけ施工して「振れ止め」を忘れるケースがあります。
新潟の地震では屋根がそのままの形で崩れ落ちている映像
をよく目にしました。やはり重要度的には建物の下の方が
重視され、屋根荷重しかかからない小屋組は軽視される
傾向にあります。
最近は1,2階などが昔よりかなり頑丈になっている
ので小屋組部もきちんと施工することが大切です。
◆対策
今回の例もプロでないと判断は難しいです。
特に注意して欲しいのですが
ロフトや小屋裏収納がある場合はその床面で
剛性を確保するとか、
勾配天井で取り付けできないために省略する
事があります。
このように判断や見極めは難しく監督さん任せで
良いのかと不安ですが、この件に関し
今後、行政の中間検査ではこの振れ止めは
必ず確認するそうです