欠陥住宅事例21
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今回は「鉄骨造 梁接合部の不備」を紹介します。
■今回の事例_____________________
・全てボルトで接合する部分に溶接接合がある
・高力ボルト使用部に「普通のボルト」が使われている
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鉄骨造の多くは木造と違い「耐力壁」を持ちません
(※軽量鉄骨造は耐力壁を持ちます)
そのために広い空間が可能で大型店舗や超高層ビルなどあらゆる
建物に適合する。
鉄骨造は一体構造ではなく部材を組み上げ、
各部材の接合部は溶接やボルトによって接合され一体となる
そのため接合部が大変重要な構造要素です。
つまり部材自体の大きさなども重要ですが接合部もかなり
重要で間違いがあってはいけない箇所です。
今回のような間違いはなぜ起こったのか?
構造計算が不要で
鉄骨躯体全般を図面から全て鉄骨業者に任せ、
確認申請で建築士が絡むけど、構造面、現場監理はノーチェック
建築業者も無知であり監督、職人も間違ったまま施工された。
◆対策
何年か前に鉄骨工場のランク付けがあり
建物により製造工場が限定されるようになりました。
また、2階建ての住宅でも告示などにより
確認申請に構造図、構造計算の添付を求められる事も
あり「専門家の関与」が増えて間違いが少なくなって
います。
行政の指導がきちんとしてきていますが
法を守らない業者もいる為、
やはり経験の少なそうな業者に頼まない事です。
欠陥住宅被害ネットで処理している現場で
意外ですが多いのは木造ではなく
「鉄骨造です」