欠陥住宅事例7
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
昨日は確認申請について書きましたが
今回、確認申請に関連する壁量設計の間違いを紹介します。
■今回の事例______________________
・木造住宅の耐震偽装
1、壁量(地震や風の力を受ける壁)不足
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「木造版 耐震偽装」についてお話しです。
マンション偽装事件はコストを抑えるために建築士が故意に
強度計算を偽装したことは記憶に新しいです。
木造住宅は完成した家を強くするには費用が高いですが
最初から強くすることに関してはマンションほど
建物規模も小さいため費用はかかりません。
したがって建築士が費用を抑えるために
故意に行うことは「皆無」です。
ではなぜ耐力不足が起きるのでしょうか?
◆1つ目は・・
2階建て程度の木造住宅は
「建築士が設計すればそれを信用する」
という特例があります。
つまりノーチェックで申請が通る。
(現在は壁量設計を出すような指導があります)
経験のない建築士が設計したり、計算を間違うと
耐力不足が起きます。
昨年、1000棟以上計算を間違えたと自己申告した会社
もありました。
それくらい頻繁に起きる事例です。
◆2つ目は
現場の施工が基準どうりでない、釘、ビスの間違い
が多いです。
だいたいこの2点で間違いが起きます。
特に多いのは2つ目の現場施工不備です。
これをきちんとできている現場は50%あるかないか
と思います。
今回、検査に伺った例は1つ目の「建築士の計算ミス」と
2つ目の「釘が基準のものでない」の両方でした。
計算をすると基準法の60%しか耐力壁がありません
でした。
完成済み物件であり、補修を求めましたが
建築士が逃げているため
弁護士から「内容証明」を送り付ける予定です。
雨漏りは必ず自己症状がでます。
しかし、これらの瑕疵は住んでいる人が気が付くことは
地震や大きな台風が来ない限りわかりません。
今回も雨漏りの調査に伺って
構造面の不備を見つけました。
■ 対応策、予防策ですが
完成済みの方は10年の瑕疵保証がある間に検査してもらう事
これから建てる人は図面、現場をチェックする事です。
(耐震等級を取っている方、構造計算を
している現場はまだ、安心です)