「号外」 トラブルにならないための施主の心構え
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今回はいつもの欠陥事例紹介とは違った内容を
お伝えします。
テーマ「トラブルにならないための施主の心構え」
良くわからない家造り、建築業界の常識
ちょっと知っておくだけで
トラブルは減ります
思い当たる事をまとめました。
1、希望を客観化、具体化する
営業や設計担当者に対し
「冬暖かい家」、「地震に強い家」を希望しますと伝えても
相手によっては自分の主観や会社の性能の範囲で判断します。
具体的な数字や例を挙げて打ち合わせしないと出来てから
違ったという事になります。
2、希望事項の非現実性、矛盾を受け入れる
希望事項が全てかなうとは限りません、特に予算的な要因が
障害になる事が多く、家に対する希望がかなわない事は
「ストレス」になります。
依頼相手から納得できる説明があれば希望がかなわなくても
納得できる場合もありますが、
不信感や疑問を持ったまま進むと「頼まなければ良かった、
設計料は払いたくない」という後悔になります。
希望の反映については100%は無理かなと思っている
くらいがちょうどいいです。
美輪明宏さんの著書で「ああ 正負の法則」という本が
あります。(PARCO出版)
地球は陰と陽、マイナスとプラスなど相反するもので
成り立っている。良いことがあれば悪いことがあるみたいな
法則を書いた本です。
その中で家を建てるときは、そこそこの家にして
「あそこが足らない、ここも足らない」という家を造って
我慢しておくことです。
とあります。プラス面ばかりだと大きなマイナス面が
必ず来るという事を書いてあります。
3、建築現場の理解
・施工誤差
建築現場は手作業による一品生産でありコンピュータ管理
された工場とは違う事の理解。
・職人の技量のばらつき
品質を左右するのは大工などの技量です。
年齢、経験、性格により技量の巾は大きいです。
同じ職人で同じものを作っても全く同じ品質になるとも
限らない。
・コストの相対性
技術的には可能でもコスト的に無理という事項が出る場合が
ある。コストをかければ良いものができるという事は
誰でも理解できるが請負契約という形態の住宅業界では
このことが理解困難な場合が多い。
例えば
外壁の目地のラインをなくす。
コストをかければ仕上げがきれいであるが
コストをあまりかけないと中途半端な仕上になる。
・品質のばらつき
特に木などの自然のものは製品になっていてもばらつきがある
また建築材料は「伸び」「縮み」「反り」などの変化が出る
物が多い。
4、工事中の変更は困難
確認申請の制度が現場と申請書類の照合が重点となり、
現在工事中のものを含めまして法改正で工事中の変更が困難に
なりました。
変更をした場合には書類など含め設計者等の手間がものすごく
増え、費用が発生します。
また、基本的には軽微なもの以外は変更できません。
事前の打ち合わせが今後重要です。
5、余裕をもって行動する
法改正により確認申請が大幅に遅れています。
特に構造計算を伴うものは時間がかかる傾向です。
子供の入学などでどうしても来年3月完成と希望しても
確認申請の遅れが工事を遅らせる可能性が現在あります。
遅れてもこれは設計者の責任を問えない部分もあり
現在国土交通省でも制度の見直しをしているようですが
今年中は混乱します。
これから建てる方は確認制度の法改正で状況が今までとは
全く違う事を理解し、期間にかなり余裕をもつ事です。