欠陥住宅事例17
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今回は「床束の固定不良」を紹介します。
■今回の事例_____________________
・床束と木部(大引き)の固定方法の間違い
製造メーカーの指示どうりでない
□床束とは・・1階の床を基礎から支える柱のようなもの
昔は木製でしたが現在は「鋼製」が主流です。
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上記にも書きましたが昔はこの部材は全て木製でした。
床下に使う材料でシロアリ対策や腐りの問題
そして長さを調整できるという便利さから
今ではほとんど鋼製が使われています。
なぜ、しっかり固定する必要があるのでしょう?
阪神淡路大震災のときこの床束が外れ、1階の床が
抜けた例もあり端部の緊結が重要視された事と
先回も記載しましたが
建築基準法施行令第47条の1
「構造耐力上主要な部分である継手又は仕口は、ボルト締、
かすがい打、込み栓打その他の国土交通大臣が定める
構造方法によりその部分の存在応力を伝えるように
緊結しなければならない。・・・・」
つまりこの部分も構造耐力上主要な部分であり力がかかっても
外れないように緊結が必要なんです。
大工さんなどが勘違いしやすいのは、「造作釘」、「造作ビス」
の使用です。(写真の釘は造作釘)
これらは緊結に適した材料ではありません。
耐力壁や金物の固定にこれらは指定させていません。
きちんと製造メーカーが指定するCN釘(太め)や一緒に梱包
されている指定のビスなどを規定の数施工することが
必修です。
◆対策
これも施工時にチェックするしかないでしょう。
工事中にチェックできなくても
床下に後から入ることができれば、見つけたり、直すことは
可能な箇所です。
参考に製造メーカーのカタログURL
http://www.kaneshin.co.jp/pdf_lib/70/kouseidukaA.pdf
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■(2)編集後記
この前、スーパーゼネコン「竹中工務店」の社員の方が
検査の後にお客様の前でこんな発言をしました
「私たちの仕事の目的は全てのお客様に安心、満足して
住んでいただく事です。私たちが気が付かなかった点を
検査で指摘していただき、それを是正することはお客様の
ためになります。ありがとうございました。」と
こんな話を聞けば誰でも嬉しくなりこの会社で良かったと
思いますね。