欠陥住宅事例11
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今日伺った基礎検査の事例を紹介いたします。
■今回の事例_____________________
・鉄筋のコンクリートかぶり不足
(かぶり・・・鉄筋廻りの外側のコンクリート厚)
□規定の6CM以上の未確保 3CM程度の箇所多数
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当社ホームページの検査指摘ワースト3
https://www.ie-kensa.com/wasut3.php
基礎配筋編の1位に記載してあるようによくある事例です。
◆基準を整理すると
・土に接する側(主に基礎の下)は6CM
・土に接しない側(基礎の側面など)は4CM が規定です。
◆なぜこのような基準があるか?
強度的な面はもちろんですが
コンクリートはアルカリ性で時間の経過とともに外周から
中性化します。鉄筋の錆(酸化)を防ぎ耐久性を高めるために
このような規定が設けられています。
◆なぜ現場で基準を守れないか?
鉄筋の下部においては特にベタ基礎の場合、
基礎底の部分の水平を誤差なく出すのは
面積が広いために難しいです。
6CM確保できる場所があっても土が高い箇所(掘りが浅い)
があると鉄筋を水平に組んでいれば6CM確保できません。
基礎の立ち上がりにおいては
鉄筋を組む際、位置のずれの要因が多いです。
最近は基礎巾150mmが多くなりましたが、
2CMほどのずれでも型枠に接近しすぎるケースも多いです。
◆対策
かぶり厚さのチェックは素人の方でもただ寸法をあたる
だけなので容易です。
(そのうちこのあたりのチェックの仕方は写真つきで
資料ダウンロードの予定です)
業者側の対策としては大手ハウスメーカーさんはすでに
導入していますが
基準ぎりぎりの施工をしないということです。
例えば
鉄筋と地面の間の寸法を確保する「通称 サイコロ」を
6CMではなく7とか8CMのものを使うなどすると
良いです。
当社は最近、鉄筋探査機を購入しました。
鉄筋の位置とこの「かぶり厚さ」は容易にわかり、
コンクリートを打てば隠れるということはありません。
鉄筋コンクリートのマンションの訴訟などでも
「かぶり厚さ」が争点となっているケースが多いです。
慎重に施工してもらいたい箇所です。