事例777『スペーサーの外れ』
今日は大手ハウスメーカー2社の現場へ行きました。
2社ともに新入社員が研修に来ていました。
自分が社会に出た時、建築業界は体育会系の雰囲気があった。
研修と言う名目で穴掘りや資材運びを1日中やらされるなど
嫌な仕事を押し付け、根性を見るようなことが数ヶ月続いた。
あとから思うとこの時の力仕事も無駄ではなかった。
人の手で1時間で、どのくらい土が掘れるのかなど
経験することができました。
■(1)今回の事例______________
「スペーサーの外れ」
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◆写真解説
ユニット住宅の1階床梁。
基礎と鉄骨の間にスペーサーをはさんでいる。
そのスペーサーがずれて半分以上鉄骨から外れている。
地震時にスペーサーが完全に外れ、床が下がる恐れあり。
◆内容説明
工場でほとんどを施工し、現場でユニットを据え付けるタイプの家。
1階で柱間が長い場合、中間に基礎で支える個所がある。
ここはアンカーボルトなどで緊結はしていない。ただ、置いてあるだけ。
据え付けの際に、スペーサーが端へ動いた。
常は、躯体の重さでスペーサーは動かないが、
地震などの際は、位置が端すぎるとずれる恐れがある。
◆対策
特殊な工法で、該当する方は少ないです。
床下でしか見えないため、社内検査でチェックできていない。
スペーサーが大きくずれていないか床下を確認する。
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■(2)編集後記
川崎市で起きた簡易宿泊所の火災。
建築基準法違反の建物であったようです。
燃え方をみると、耐火建築物でないことは明解です。
耐火性能の基準を守っていれば、全焼にはならず
被害を最小限で防げたと思います。
役所は違反であることを分かっていながら
事前に手を打てなかったとニュースになっていますが、
これは、どこの行政でも同じことだと思います。
行政が指導したところで、改善には高額の費用がかかるため、
工事を行うことは現実不可能。
利用料金が少しでもUPすれば、生活保護を受けている人たちは
利用できなくなります。
違法状態を改善させるには、同額で利用できる代わりの住まいを
行政が用意し、違法の簡易宿泊所をやめさせるしかないでしょう。
そうなるとさらに税金が必要な訳で、簡単な問題ではありません。