事例784『棚の破損』
駐禁の切符を切られました。
駐禁の標識が無く、他の職人さんも止めていたので
安心して止めたら、「無余地駐車違反」を切られました。
3.5Mの幅がないとダメなんですね。
■(1)今回の事例______________
「棚の破損」
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◆写真解説
押入れ中段、軽く押しただけで下がってしまった。
下地への固定不良が原因。
◆内容説明
クローゼットの天井に天井点検口がある場合、
枕棚へ足を載せて、天井裏へ入る。
そのような現場で稀に枕棚が下がっているのを見かける。
棚の表示を見ると耐荷重は70KG。
本来、人が載っただけで下がってはいけない。
(私の体重が70KGほど)
中段は枕棚より重たいものを載せる。
通常、耐荷重は200KGほど。
しっかり下地を入れて固定しないと
200KG持ちこたえることは不可能です。
◆対策
完成検査の時に棚に荷重をかけて、下がらないことを確認する。
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■(2)編集後記
裁判などでよく「工学的に判断して欲しい」と言われます。
工学的という言葉を使うと、一般受けは確かに良いです。
工学的な判断で決められた数値、基準について
東京理科大学、寺本名誉教授が著書でこう書いています。
「工学的な判断で決めたこと」はまったく非論理的ではないにせよ
多分に工学的な判断により「この程度の数値でよかろう」として
決められていることが多い。(中略)その数値の位置づけが不適切な
ものとなることがある。(中略)
諸基準の数字を無条件に信用することなく、疑いをもちつつ監視して
いくことが大切である。
安全を確かめるためには、実物実験が確実であるが、
建築の場合は、容易にできるものではない。
基準、数値の前提を知って、数値をそのまま適用すべきか
設計者自身がよく考え判断することが大事です。