事例785『コンクリート補修の不備』
この時期になっても結露の相談が多いです。
当然、今現在は結露は起きていません。
今年の冬に起きた結露被害の相談です。
発生しているときに調査した方が分かりやすいですが
夏場でも冬型結露の原因を調べることは可能です。
■(1)今回の事例______________
「コンクリート補修の不備」
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◆写真解説
基礎補修箇所のひび割れ。
使用した材料が悪く、強度などが期待できない。
◆内容説明
基礎に欠損があり、補修したあとの写真。
モルタルで補修した部分がひび割れている。
モルタルの水分が多かったなどが原因として考えられる。
ジャンカや欠損など、構造部のコンクリート補修は、
ポリマーセメントを使うように指示しています。
ポリマーセメントは、普通のモルタルに比べると
接着性、防水性、乾燥収縮性、耐薬品性、耐磨耗性、
耐衝撃性等に優れ、中性化の抑制にも効果があるようです。
強度も規定どおりの練り方をすれば十分強い。
道路や鉄道の高架の補修としても使われているもので、
かぶりが不足した場合の補修材としても告示で認められています。
◆対策
コンクリートの補修をする際は、材料を指定する。
各セメントメーカーから補修材として
たくさんの種類が出ているので入手は簡単です。
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■(2)編集後記
専門誌で施工ミスの紹介と基準の解説をしています。
基準の根拠、出所については、私のほうで先に調べ
原稿のチェック時、編集者さんが国土交通省へ確認を
入れることもあります。
今月書いている記事は、割とレアな基準のため
出所がはっきりしない。
メーカーなどへ問い合わせをしているうちに
原稿の締切が近づいてきました。
手間がかかる作業ですが、新たに知ることも多いです。