事例820「基礎人通口、補強筋未施工」
これから家を建てる人向けにミニセミナーを行ってきました。
主催は工務店。欠陥事例や、こんな業者は危ないという話をするので、
営業、設計、施工に自信があるのでしょう。
新築検査で多くの業者と知り合います。
また工務店向けの雑誌に基準の解説を出筆していることなどもあり
業者からの依頼も時々あります。
意に反する指示がある場合は、仕事をお断りしています。
■(1)今回の事例______________
「基礎人通口、補強筋未施工」
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◆写真解説
人が点検のために通る基礎の人通口。
大きな開口で耐力上の欠点となる。
図面で指示された補強筋が未施工。
◆内容説明
床下を点検できるよう、基礎の立ち上がりに人通口を設ける。
基準法などで規定がないため、構造の知識が薄い建築士が設計をすると
好き勝手な位置に開けられたり、補強筋を入れない現場もある。
本来、1階の耐力壁の位置を考慮し、位置や補強を決める必要がある。
◆対策
補強筋に関しては、配筋検査でチェックをする。
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■(2)編集後記
二級建築施工管理技士の資格だけを持つA氏。
依頼者はA氏が一級建築士であると信じ込み検査業務を依頼。
しかし、実際は建築士の資格はなく、また知識もあまりないため、
重要な判断が間違っていた。
その結果、業者との話がよりこじれてしまった。
この人、罪にならないよう、名刺などに資格の記載をしていない。
口頭や雰囲気で信じ込ませたようです。
資格の有無は、名刺やHPで確認し、
怪しと思えば、免許証の提示を求めましょう。